シーリングライト一体型のプロジェクターとして話題になった「ポップインアラジン」。後継機種である「ポップインアラジン2」が届いたので、初代のポップインアラジンとの違いや、使用感の変化ついてレビューしていきます。
初代も2も、基本的にできることは同じなので、「初代で感じた不満点が、2ではどれだけ改善されているのか?」がポイントになるかと思います。
ポップインアラジン2のスペック変更点
- 解像度がHDからフルHDに
- 短焦点タイプになり、画面の「サイズ」と「高さ」の自由度アップ
- 本体サイズが2.4cm薄くなった
- スピーカーがパワーアップ(1台 5w+5w→2台 8w+8w)
- ライトの調光・調色を、より細かく設定できる
初代ポップインアラジンのまとめ
まずは、初代のポップインアラジンの使用感をざっくりと振り返るとこんな感じです。
良いところ
- 場所をとらない
- 配線不要で部屋がスッキリ
- 操作性(サクサク動く)
- 思ったより画面が明るい
う~んと思ったとこ
- 設置位置で画面の「サイズ」と「高さ」が決まってしまう
- 騒音問題が心配
- Bluetooth機能(音と映像がずれる)
- 操作性の悪いアプリがある
- 映像補正がかかる
初代のポップインアラジンは、期待通りの便利さではあるものの、映像補正による違和感や、Bluetoothの音ズレ問題など、なかなか手放しにおすすめできるプロジェクターとは言えないのが正直なところでした。
初代の方のレビューはこちらです。
ポップインアラジン2のレビュー
ここからは、初代で感じた不満点が改善されているのか、あるいは変化がないのかを見ていきます。以下の5つを順番に見ていきましょう。
- 設置位置で画面の「サイズ」と「高さ」が決まってしまう
- Bluetooth機能(音と映像がずれる)
- 騒音問題が心配
- 映像補正がかかる
- 操作性の悪いアプリがある
画面のサイズ問題
初代では、機器(天井のソケット)からスクリーン(壁)までの距離が近すぎると、「画面が小さくなりすぎる」という問題がありました。設置する部屋によっては、どうしてもスクリーンまでの距離を確保できず、「大画面で映像を楽しめない」という事も珍しくありませんでした。
ポップインアラジン2は「短焦点モデル」なので、画面サイズの自由度が飛躍的に高まっています。本体とスクリーンまでの距離が、1mあれば最大50インチ、1.47mあれば最大80インチになります。よほど天井のソケットが変な位置についていない限りは、大きな画面で楽しめるはずです。
画像出典:aladdin.popin.cc
壁面との距離 | 画面サイズ[幅×高さ(m)] |
---|---|
0.85m | 約40インチ[0.88×0.49] |
1.00m | 約50インチ[1.10×0.61] |
1.16m | 約60インチ[1.32×0.74] |
1.32m | 約70インチ[1.55×0.87] |
1.47m | 約80インチ[1.77×0.99] |
1.63m | 約90インチ[2.00×1.12] |
1.78m | 約100インチ[2.21×1.24] |
1.94m | 約110インチ[2.44×1.37] |
2.09m | 約120インチ[2.65×1.49] |
※「壁面との距離」=「壁から”機器の中心”」までの距離です。
もちろん、台形補正機能(画面の四隅の位置を調整できる)が付いているので、「画面がデカくなりすぎて壁に収まらない」という事はないと思います。最大で40%くらいまで画面を小さくできます。例)100インチ⇒40インチくらいまで画面を小さくできます。
画面の高さ問題
初代ポップインアラジンでは、上下の可動域が浅く(0~18°)、機器(天井のソケット)からスクリーン(壁)までの距離が近いと、「画面の位置が高くなりすぎる」という問題がありました。画面が高すぎると見上げる形になるので、目が疲れるんですよね。
また、マンションなどは構造上、「壁面がフラットではない」ことが珍しくありません。構造部材によって、天井から数十センチ、壁が出っ張っている部屋があります。画面が高すぎると、このでっぱり部分に、映像が投影されてしまうという問題があったわけです。
ポップインアラジン2では、上下の可動域が0~32°と、初代と比較して2倍弱になっています。これにより、「画面が高すぎる」という問題が発生しにくくなっています。本体と壁までの距離が1mあれば、画面上辺と天井までの距離を最大53cmとることが可能です。1.47mで最大82cmとることができます。
壁面との距離 | 天井から 画面上辺までの距離 |
---|---|
0.85m | 0.43m |
1.00m | 0.53m |
1.16m | 0.63m |
1.32m | 0.73m |
1.47m | 0.82m |
1.63m | 0.92m |
1.78m | 1.01m |
1.94m | 1.11m |
2.09m | 1.21m |
Bluetoothヘッドホンの音ズレ問題
初代のポップインアラジンは、Bluetoothヘッドホンやイヤホンを使うと、違和感を感じるレベルで音ズレがありました。もちろん、全然気にならないという方もいると思いますが、個人的には結構ストレスでした。とくに、YouTubeなどで、短い動画を次々と連続して観ていると、だんだん音ズレが激しくなってきて、最終的にBluetoothを接続しなおさなければ観ていられないような状態になることもあります。
ポップインアラジン2では、ほぼ音ズレを感じることなく映像を楽しめます。もちろん、無線で繋ぐ以上、音のずれは発生するわけですが、初代とは比べものにならないくらい改善されています。ソニーのヘッドホン(WH-1000XM3)だと、ほぼほぼ音ズレを感じません。音楽ライブやMVの映像を、目を凝らしてよーく見たら、「若干ずれているかな?」というレベルです。Amazonで4000円くらいで買った、格安Bluetoothイヤホン(HAVIT G1)でも、若干の音ズレはあるものの、まあ普通に観れるレベルです。
映像補正問題
初代ポップインアラジンでは、映像を美しく見せるための補正機能によって、「映像が奇麗になったはいいけど、味気なく安っぽくなってしまう」という現象が起きていました。さらに、アニメなどはとくに、フレーム補間によって、変にぬるぬる動き過ぎて気持ち悪い感じもありました。
ポップインアラジン2では、これらの問題が無事解決されていました。正直、『ここが改善されてなかったらキツイなー・・・』と思っていました。というのも、初代ポップインアラジンでは、映像に違和感を感じていたため、なかなか本腰を入れて映画を観る気になりませんでした。個人的には、「あくまでも、気軽に大画面で映像を楽しめる、サブ的なポジション」だったのです。ですが、2では映像のレベルが着実に上がっていていて、違和感なく楽しめました。
騒音問題
ポップインアラジンは、設置場所が天井なだけに、なんとなく音が遠く感じます。ボリュームを上げれば近所迷惑になるし、Bluetoothは音ズレするわで、音に関しては困っていた方も多いと思います。
前述したとおり、Bluetoothの音ズレ問題がほぼ解消したので、音量を上げられない環境にいる場合は、Bluetoothヘッドホンやイヤホンなどを活用すれば問題解決です。
2では、スピーカーが1台⇒2台になり、音のクオリティが上がっています。一度、近所迷惑覚悟で、音量をMAXにしてみましたが、ちょっとしたミニシアターくらいの音の広がりを感じました。音質はいいと思います。音を出しても問題ない環境なら、相当楽しめそうです。
ただ、我が家の場合、集合住宅なので、そこまで音量を上げることができません。わたしの場合は、しっかりと細部まで聞き取りたい派なので、基本的にはヘッドホンやイヤホンを使って視聴しています。集合住宅など騒音問題にうるさいところで使う際は、ボリュームを上げ過ぎて隣人に迷惑が掛からないよう配慮が必要だと思います。
ネトフリ、アマプラの操作性問題
初代では、ネットフリックス、アマゾンプライムビデオなどの一部のアプリは、リモコンの十字キーを利用したカーソル操作でして、サクサクとコンテンツを閲覧できないのが、ちょっとしたストレスでした。
この点に関しては、Amazonプライムビデオは無事改善され、操作性が向上しています。ネットフリックスは相変わらず十字キーによるカーソル操作でしたが、カーソルの速度やスクロール速度が向上していたりと、わりとストレスなく操作できる感じになっていました。(とは言え、やはり細かい操作はしにくい)
ポップインアラジン2かなり良いかも
初代で感じていた不満がことごとく改善されていてビビりました。
売れ行きも順調なようですし、このまま3,4と進化を重ねて価格も下がれば、「プロジェクター付きシーリングライト」が、この日本において一般的なものになっていく可能性はあるなと思います。そのくらいストレスなく使えちゃうんですよね。
正直、まだまだスクリーンの市場が微妙なので、使用場所を選ばないとも言えないわけですが、白い壁のある家なら、わりとストレスなく大画面を楽しめるはずです。
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